Why — The Problem
海藻の森が消える「磯焼け」。その影響は、静かに私たちの暮らしへ。
沿岸の岩場から海藻が姿を消し、白い岩肌がむき出しになる現象を「磯焼け」と呼びます。一度失われた藻場は、放置しても自然には戻りにくいことが知られています。
海水温の上昇、ウニや植食性魚類による食害など、要因は海域によって複合的。唐津の現場では、ガンガゼの過剰な食害が大きな要因のひとつです。
魚や貝の産卵・生育の場(ゆりかご)、CO₂を吸収するブルーカーボン、そして地域の漁場と食文化。生態系の土台がまるごと失われます。


温暖化から始まる連鎖が、藻場を食べ尽くす側へと海を傾けていく。
唐津の海では、この連鎖の終点に「ガンガゼによる食害」がありました。
海藻が消え、岩肌がむき出しになる現象「磯焼け」が全国に広がっています。
海の生態系の根幹が失われるこの影響は、静かに私たちの暮らしへ。
出典:水産庁「海面漁業生産統計調査」「漁業産出額」(e-Stat)/水産白書。2030年は過去トレンドの延長による推計で、公的な将来予測値ではない。中間年は主要年をプロット。

磯焼けは北海道から九州まで全国の沿岸で発生。ほぼ全域の沿岸が影響下にある(白色域は内湾・瀬戸内等)。参考:水産庁「磯焼け対策ガイドライン」(図はイメージ)
磯焼けは、海だけの問題ではありません。漁獲の減少は担い手を減らし、経営の苦しさは乱獲を招き、それがまた海を痩せさせる。3つの課題が、互いを悪化させ合っています。
海洋生物の餌場・住処・産卵場所として機能する藻場の消失は、海の生態系の根幹が失われる現象。漁獲の減少に直結しています。
環境の変化に合わせた資源管理のルール策定が間に合っておらず、また、漁獲減少で経済的に苦しくなった漁師は、乱獲せざるを得ない状況に陥っています。
漁獲魚種の変化、漁獲量の減少により、過去と比較し稼げなくなった水産業は、著しい担い手不足・高齢化に直面しています。
海を戻すだけでは足りません。獲るものの価値を上げ、海と関わる人を増やし、ルールを変える。4つの打ち手を同時に進めます。
